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☆タイトル:最新ニュース2019年6月8日 → ドイツ政治が陥った「ベルリンの壁崩壊以来最大」の窮地
☆投稿者:毎日ニュース
☆公開日:2019-06-07 10:30:04
☆視聴時間:11:54
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ドイツ政治が陥った「ベルリンの壁崩壊以来最大」の窮地
→ 2大国民政党の没落
6月2日、SPD(ドイツ社民党)の党首、アンドレア・ナーレス氏が、突然、党首と、SPD院内会派の長の両方を辞任すると発表した(公式辞任は翌3日)。
理由は、「責任を持って党を運営していくために必要な党内の支持を受けられなくなったから」だそうだ。
実は、 その1週間前の欧州議会選挙におけるSPDの大転落のせいで、党内で責任のなすりつけ合いが起こり、ナーレス氏が激しい攻撃に晒されているという噂が国民の耳にも届いていた。
だから、このニュースに、「やっぱりな」と思った人は多かったが、その後、さらにナーレス氏は議員も辞めて、政界から完全撤退すると発表された(時期は未定)。
こうなると、氏の憤りというか、「もう、やってられるか!」的な雰囲気が濃厚に伝わってくる。
「誰か、もっと上手くやれるんだったら、よろしくどうぞ」ということだろうが、これが巷の喧嘩ではなく、国政の中枢で起こっているというのが怖い。
しかし、落ち込んだのはSPDだけではない。 ドイツの政治はかなり危ない。
今回の欧州議会選挙では、CDU(キリスト教民主同盟)も、予想よりもさらに壊滅的な状態であるということが明白になった。
CDUの得票率は、前回、5年前の欧州議会選挙より7.4ポイントも落ち込み、たった22.6%。
SPDは、マイナス11.5ポイントでわずか15.8%しか票が取れず、急伸した緑の党(20.5%)に5ポイントもの差をつけられ、第3党に転落した。
つまりドイツでは、CDUとSPDというかつての国民政党が、揃って没落しているのである。
SPD幹部は、その責任をナーレス氏に押し付けようとしたのだが、では、新規まき直しを図るために前倒しが決まった党首戦で、誰か名乗りを上げるかというと、誰も上げない。
今年の秋にはドイツ東部の3州で州議会選挙があり、おそらくSPDの敗北はさらに続くはずなので、そんなとき党首になってその責任を負わされるのは真っ平御免なのだろう。
SPDは糸の切れた凧どころか、糸が切れて地面に落っこちて、骨の折れた凧のように弱っている。
ただ、リーダーがいないのは困るので、大慌ての妥協案として、3日に、3人のSPDの政治家が共同で、暫定的に党を運営すると決まった(秋に正式に党首が選出されるまで)。
現在、州首相をしている女性2人と、その他1名の男性の政治家だが、3人とも、党首戦には立候補しないと表明している。
つまり、党の幹部自身が、SPDの復活を信じていない? あるいは様子見?
なのに、よりによって現在のドイツでは、この衰弱したSPDとCDUが連立を組んで「大連立」政権となっているのだ。
しかし、言うまでもなく、今や、この2党に、CDUと同会派のCSU(キリスト教社会同盟)を合わせても、実際の支持率は50%に届かない。
つまり、実態は大連立ではなく、満身創痍のCDUと寝たきりSPDによる、いわば「幻の大連立」なのである。
緑の党の驀進
もっとも、SPDが不調なのは、今に始まったことではない。
ここ数年、総選挙であれ、州選挙であれ、そして、この度の欧州議会選挙であれ、すべての選挙のたびに支持を減らしてきた。
上手くいかないと、党首のせいにするのは伝統らしく、1990年以来、党首の首が14回もすげ変わっている(CDUは今のクランプ-カレンバウワー氏で4人目)。
実はナーレス氏も、2017年の総選挙で落ち込んだSPDを立て直すために選ばれた党首だった。
このとき、党の内部には、CDUとの連立を解消して、野党として新しい出発を図るべきだという声が渦巻いていた。
しかし、ナーレス氏はそれらの党員を説得して、大連立を保った。
当時、大連立を壊して再選挙となると、SPDはさらに票を減らす可能性が高かったため、それを恐れたからだと言われている(CDUも同じ事情で大連立に固執した)。
そんなわけで結局、SPDは党首が変わっても中身は変わらず、今になって、当時、連立を解消しろと言っていた人たちが「それ見たことか」とナーレス氏を攻撃するという事態となった。
しかし、すでに党首を引き受けようという人もいないとなると、SPDはこのままフェードアウトして、将来、あまり意味を持たない党の一つに成り下がって行く可能性も高いと思う。
現在、ドイツでそれに変わって驀進しているのが、前述の通り緑の党だ。
彼らの主張が成功を収め過ぎたらしく、選挙前の調査では、ドイツ国民の一番の関心事は、経済でもなければ、難民でも、治安でも、エネルギーでもなく、気候温暖化問題だった。
どうすれば、我々の「惑星」を救うことができるか!? しかも、今すぐに行動に移さなければ、取り返しのつかないことになるのだと、多くの人が信じている。
もちろん、それに与しない人もいるのだが、そういう声は、緑の党の応援団と化している主要メディアには無視される。
たとえば、シュピーゲル紙の元編集長で、現在はDie Welt紙(主要保守系紙)の発行責任者であるシュテファン・アウスト氏は、「気候温暖化をめぐる大騒ぎはまったくもって過剰」といいつつ、しかし、現在は、このヒステリーが去るのを待つしかないと、かなり諦め気味だ。
しかも、彼の予想では、ドイツ人は他国の人たちに道徳のお手本を示すことが自分たちの役目だと思い込んでいるので、気候温暖化防止に飽いたら、次の獲物を見つけて、同じことを繰り返すだろうと皮肉った。
とはいえ、目下のところ、CDUとSPDは、なぜ票が減ったかを分析した結果、自分たちが気候温暖化を真剣に取り上げなかったからだという結論に到達した模様だ。
6月4日、「もし今週の日曜日に総選挙ならば」というアンケートでは、緑の党がCDUを1ポイント越えて第1党となった。
だから、どの党も必死で緑の党に続くと見られるが、はたして二番煎じが票に繋がるかどうか。
産業界も悲鳴を上げ
さて、こうなってくると興味深いのは、SPDが大連立を解消するかどうかだ。
解消だとすると、CDUは、緑の党とFDP(自民党)と連立を組み直すか、あるいは、総選挙のどちらかになる。
その場合、おそらく緑の党が第1党になり、第2党のCDUと連立し、緑の党の首相が誕生する。 しかし、総選挙はCDUに取って命取り。
緑の党が政権をとれば、国民の喜びは絶頂に達するだろうが、ドイツの産業は急降下するだろう。
なんとなく、2009年の日本の民主党政権成立と、その後の悪夢を思い出す。
ドイツに「政治の危機」と言われることはこれまでにも何度かあったが、ここまで救いようのない状態になったのは、少なくとも1990年に東西ドイツが統一してから初めてではないか。
ただ、読者は信じないかもしれないが、メルケル首相は緑の党の隠れシンパだ。
緑の党の主張は、難民受け入れも、脱原発も、同性婚も、メルケル氏によってことごとく実現された。
ドイツでは、政治と産業界はスクラムを組んでいるのが、これまでの伝統だったが、今や産業界は悲鳴を上げ始めた。
CDUがここまで左傾すると、その変貌にもう付いてはいけないと。
6月4日、ドイツ産業連盟の総会に招かれたメルケル首相は、これまでにない強い批判を受けた。
同連盟の会長がスピーチで、「率直に言わせてもらうが、ドイツ政府の行ってきた政治は、産業界(の利益)を損なった」。
それに対してメルケル首相も大いに反論していたが、ドイツの女帝メルケルに対して、産業界の代表がここまではっきり物を言ったということだけで、前代未聞の出来事だ。
偉大な首相としての任期はもう残りわずか。 しかし、メルケル首相はなんと言われてもへっちゃら。
母国ドイツに、瓦礫の山と強大になった緑の党を残して、有終の美を飾るだろう。
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