「東京を襲う高潮被害」 浸水10メートル超の地域を検証






TOKYO MXさんが、2018-03-30 12:29:57に公開した『「東京を襲う高潮被害」 浸水10メートル超の地域を検証』は、動画ニュースnetがYoutubeから厳選して紹介している動画ニュースです。

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☆タイトル:「東京を襲う高潮被害」 浸水10メートル超の地域を検証

☆投稿者:TOKYO MX

☆公開日:2018-03-30 12:29:57

☆視聴時間:5:58

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東京都は3月30日、台風などで河川が氾濫して起こる、高潮による浸水被害を想定した新しい「高潮浸水想定区域図」を発表しました。荒川の沿岸は赤い部分が多く、大きな被害が想定されています。この中で、10メートル以上の浸水が想定される場所の一つに江東区亀戸7丁目があります。この地域を専門家と歩き、被害を防ぐための対策を検証しました。

 「もしも、これまでにない大雨が起きてしまったら」…。未曽有の大雨によって、街や地下鉄駅構内まで甚大な被害をもたらす「都市型水害」へのカウントダウンは既に始まっているのかもしれません。

 東京都が発表した高潮の浸水想定を表した「高潮浸水想定区域図」は、想定し得る最大規模の高潮による氾濫が海岸や河川から発生した場合の浸水の危険性を示したものです。今回の公表結果を踏まえ、浸水が深く想定される江東区亀戸を防災・危機管理アドバイザーの山村武彦さんと共に歩きました。

 江東区亀戸7丁目周辺は高潮が発生した場合、最大10メートルほどの高さに達する地点もあるとされています。このことについて山村さんは「この一体は全体が低い土地。洪水や高潮、台風が来た場合には水没の可能性がある」と指摘し、「普通の住宅は1階の高さが3~3.5メートル。3階でも10メートルだから、3階が浸水水没してしまう高さ」と警告します。高さ10メートルになると、建物の2階や3階にいても水が押し寄せてくるかもしれないのです。

 山村さんによりますと、周辺一体は海抜がゼロメートルと低い上に、すぐ近くには旧中川、その先には荒川も流れているため、「河川から一気に(地盤が)低い所へいっぺんに流れ込んでしまう。例えば1方向だけではなく、違う方向からも流れてくる可能性が高い」と危険性が高いことを指摘します。また、この周辺では高さ50センチ以上の浸水が1週間以上続くとも想定されていて、その間、孤立状態になる恐れがあるといいます。

 山村さんはもしもの時に備え、日頃から防災意識を高めておくことが重要だと強調します。「地震と違い、台風や水害は大雨や台風の予報で、2、3日前からある程度身構えることができる」とした上で「その間に備蓄、避難場所、避難ルートの確認の準備をすること。事前にできるので話し合い、家族で防災会議を開いておくといい」と提言しています。

<荒川沿いで浸水も… 東京都が被害想定を発表>

 今回想定される高潮による浸水は、地震などとは違ってある程度事前に予想ができるからこそ、防災意識を高めることがより大切になります。しかし、実際にこの地域を歩いてもなかなか10メートルもの浸水が発生してしまうとは想像できません。

 ただし、今回の浸水被害の想定は過去に実際に日本を襲った台風のデータを基に作られたもので、ただ単にあおっただけではありません。被害想定は「台風の規模の基準となる、中心気圧が910ヘクトパスカル」の場合です。これは1934年に高知県などで2700人余りの死者・行方不明者を出した室戸台風を想定しています。また「台風の移動速度は時速73キロ」を想定していますが、1959年の伊勢湾台風を参考にしたもので、かなり速いスピードで風が非常に強く、高潮の被害が大きくなります。

 高潮被害にあまりなじみがないという人もいるかと思いますが、2004年には瀬戸内海で被害が出ています。他にも、伊勢湾沿岸や九州南部では、多数の死者・行方不明者が出る甚大な被害も過去には発生しています。

 大きな被害は、東京でも過去にあり、1917年には現在の銀座付近が浸水して、建物なども崩れています。また、1949年には墨田区の錦糸町が浸水して、バスが半分近く水に浸かっている写真が残っています。東京都は最大規模の被害を想定して今回の「高潮浸水想定区域図」を作成しました。

 取材中、大地震が発生した場合に江東区が避難場所として指定している公園を訪問しました。しかし、この公園は川に近く、今回の被害想定では「浸水する地域」になっていて、高潮の被害は想定されていないのが現状です。被害想定