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☆タイトル:新聞の見出しやツイートに踊らされないように
☆投稿者:videonewscom
☆公開日:2013-04-27 12:31:00
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ニュース・コメンタリー (2013年04月27日)
新聞の見出しやツイートに踊らされないように
東大の早野龍五教授らのグループが行った福島県内の内部被曝調査の結果が新聞報道によって大きく歪められたことは、先週の福島報告で藍原寛子さんが既に報告済だが、今週早野教授が外国特派員協会で講演した際にも、外国人記者から調査結果が歪んだ形で受け止められているのではないかとの指摘があった。
早野教授らの調査では、福島原発から50キロほど離れたところにある福島県三春町の小中学生1300人あまりの内部被曝の状態をホーブボディカウンターで測定した結果、キロあたり300ベクレルの検出限界を超える生徒が一人もいなかったという。
これまでチェリノブイリ原発事故の際の経験から、内部被曝のレベルはその人が居住する地域の土壌の線量と一定の相関関係にあると考えられてきた。しかし、今回の早川氏らの調査結果は、福島ではチェリノブイリに比べて土壌線量に対する内部被曝のレベルは明らかに下回っていることを明らかにした。事故直後から地元産の食材や牛乳を消費していたチェリノブイリと、それなりに流通が発達し、県外からの食材の入手も比較的容易な福島との間で、内部被曝のレベルに大きな差があったとしても不思議はない。また、今回は測定した児童全員の内部被曝レベルが、使用した機器の検出限界以下だったというのであって、まったく内部被曝がなかったというわけではない。
しかし、このニュースを新聞各紙は「内部被曝ゼロ」の見出し付で報じたために、一部ではあたかも福島ではまったく内部被曝がなかったことが明らかになったかのような受け止められ方をしてしまった。
この調査はあくまで福島第一原発から50キロ離れた三春町での調査結果であり、福島県内には三春町よりも遙かに高線量の地域も多い。また今回の内部測定も事故から半年以上たった段階で始めているため、事故直後のデータではない。
新聞を読む人が少なくなったと言われて久しい。また、仮に読んでいても、見出しの走り読み程度の人も多いだろう。その意味では、新聞の見出しがかつてよりも重要な意味を持っているかもしれない。しかも、ネットに掲載された新聞記事はその後ツイッターなどでリツイートされることが多いが、その場合も文字として出てくるものは通常は見出しである。
新聞の見出しは整理部と呼ばれる部署が決めている。多分に職人芸的な要素もあるが、少なくともこれまでは記事自体が読まれることを前提に見出しが決まっていた。ところが、今や見出しだけがいろいろな形で方々に乱れ飛び、気がついたらもしかすると新聞においては記事そのものよりも見出しの方が重要になってきているかもしれない。
東大の内部被曝調査とその報じられ方から見えてくる「新聞見出しの今日的意味」について、ジャーナリストの神保哲生と社会学者の宮台真司が議論した。
その他、「「地方官僚を教育しなさい」再生可能エネルギー100%の島、デンマーク・ロラン島のキーパーソン、レオ・クリステンセン市会議員に聞く」、「外国特派員協会の名物男サム・ジェームソン逝く ー 記者クラブの存在が外国特派員によるスクープを可能にしてきた」など。